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Report

《 2018.7.13 》

【総合事業】老健局長「現状は本来の姿ではない」 住民主体の介護、ごく僅か


《 濱谷老健局長 11日 》

厚生労働省で介護保険制度を担当する老健局の濱谷浩樹局長が11日、今後の地域包括ケアシステムの展開について都内で講演した。
 
昨年度から全ての市町村で開始されている新しい総合事業の訪問・通所について、民間のシンクタンクに委託して行った調査の結果を紹介。住民主体のサービスがまだ普及していないという認識を示し、「これをいかに広げていくかが課題。現状では本来の姿ではない」と述べた。
 
委託調査は昨年10月に実施されたもの。全国の1741市町村が対象で、94.5%の1645市町村から有効な回答を得たという。
 
それによると、予防給付の時と同様の「従前相当」ではない多様なサービスを運営している事業所は、昨年6月の時点で訪問が1万1159ヵ所、通所が1万61ヵ所だった。総数に占める割合は、訪問が25.9%、通所が20.3%となっている。

多様なサービスの内訳をみると、多くを「基準緩和型(サービスA)」が占めている。訪問で89.6%、通所で67.6%だった。一方で、住民主体のサービス(サービスB)はごく僅かしかない。訪問が415ヵ所(3.7%)、通所が906ヵ所(9.0%)。「従前相当」も含めた総合事業全体でみると、訪問は1.0%、通所は1.8%にとどまっている。このほか、多様なサービスの実施主体は介護事業者、企業、社会福祉法人が多いことも報告されている。
 
濱谷老健局長はこれらを踏まえ、「多様なサービスの事業所は結構な数になっているが、介護事業者が少し安く提供している『基準緩和型』がほとんど」と分析。「昨年4月に総合事業へ移行したばかり」とも述べ、これから好転させていきたい考えをにじませた。
 

「小多機はテコ入れが必要」

 

濱谷老健局長は講演の中で、複数の地域密着型サービスの介護報酬や運営基準などを見直すことの必要性にも言及した。
 
中・重度者を在宅で支えていく観点から、小規模多機能や看護小規模多機能、定期巡回・随時対応サービスなどの重要性がさらに増すと指摘。「都市部では高齢者が急増していく。量を確保していくことを考えると、こうしたサービスはさらなるテコ入れが必要ではないか」と明言した。このうち小多機については、「医療ニーズへの対応が課題の1つ。利用者の状態がかなり重くなると支えきれない」と指摘した。

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