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《 2018.6.18 》

政府、外国人の受け入れ拡大を決断 介護で新たな在留資格を創設 骨太方針決定


《 15日の諮問会議・未来投資会議合同会議(画像出典:首相官邸HP)》

政府は15日の臨時閣議で、今年度の「骨太方針」を閣議決定した。
 
今月5日に提示した原案の内容を概ね踏襲。「即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを構築する」と明記し、就労を目的とした新たな在留資格を創設する考えを打ち出した。より多くの人が日本で働けるように間口を広げ、これから一段と深刻化する人手不足の緩和につなげていく狙いがある。建設業や農業などと並んで介護も主要分野の1つ。施設などの現場を支える外国人が大幅に増える可能性もある。
 
経済財政諮問会議・未来投資会議合同会議
 
原案から書きぶりが変更されたのは、新たな在留資格で仕事に就く外国人の最低限のコミュニケーションスキルに関する部分だ。「日本語能力試験のN4相当を原則とする」との記載を削除。「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有することが基本」と曖昧にした。具体的なルールは業種ごとに定めていく、という認識に変わりはない。内閣府の担当者は、「必要な日本語能力は業種によって異なるはず。業種横断的な一律の決まりを敢えて設ける必要はないのではないか、という結論に至った」と話している。
 
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一部の与党議員などから上がっていた懸念の声にも配慮した。「在留管理体制を強化し、不法・偽装滞在者や難民認定制度の濫用・誤用者対策などを推進する」などの文言が加えられている。
 
政府は今後、早ければ秋の臨時国会にも出入国管理法の改正案を提出する。安倍晋三首相は15日の経済財政諮問会議で、「実行が大切」と強調。関係閣僚に速やかな対応を指示した。介護の分野でどんな独自ルールを定めるか、といったより具体的な議論は法改正の後で本格化させる計画だ。
 

 技能実習と合わせて10年

 

政府は今回の「骨太方針」で、「移民政策とは異なる」と改めて説明。新たな在留資格で日本にいられる期間は最長で5年とし、家族の帯同も原則として容認しない意向を示した。ただし、この5年の間に高い専門性を身につけた人にはより長く暮らせる道を用意する。例えば介護福祉士の国家資格を取得するなど、一定の条件を満たせば期限がなく家族も呼べる在留資格へ移す方向で検討するとした。
 
新たな在留資格を与えて来日を認めるかどうかは、必要な知識・技能を問う業種ごとの試験の合否で判断する。技能実習を3年以上行った外国人は例外。試験なしで新たな在留資格を得られるようにしてはどうかという。技能実習は最長で5年間。2つの制度をあわせて計10年滞在でき、その間に介護福祉士などを取ればより長く生活を送っていける −− 。そんな制度だ。技能実習制度についてはこのほか、「1年目の日本語要件(N3以上)を満たさなかった場合も、引き続き在留を可能とする仕組みを検討する」とも書き込まれている。日本で仕事を続けていくハードルを下げる考えだ。
 
外国人の生活の支援や人権の擁護、日本人と同等以上の処遇の担保、日本語習得の後押し、受け入れ体制の整備など課題は多岐にわたる。政府は「骨太方針」で、「外国人が円滑に共生できるような社会の実現に向けて取り組んでいく」と約束したが、今の段階ではまだ本気度や具体策がみえない。社会の混乱や亀裂を招かないようにする配慮が不可欠で、現場にも様々な努力や創意工夫が求められそうだ。

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