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Report

《 2018.6.1 》

認知症予防の指標を追加 フレイル対策も 厚労省、食事摂取基準を改定へ


《 31日の有識者会議 》

厚生労働省は新たに策定する2020年版の「食事摂取基準」に、認知症を予防する観点から望まれる栄養素の指標を初めて盛り込む。フレイルを予防する視点も重視し、必要な栄養素の値を設定する。31日の有識者会議で説明し、大筋で了承を得た。訪問介護や通所介護、施設など高齢者の食事に関わるサービスの現場でも参考として活かせそうだ。
 
第2回「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会
 
国の食事摂取基準は、健康の保持・増進や生活習慣病の発症・重症化の予防などのために栄養素の目安や上限を定めたもの。例えば、成人の1日あたりの塩分摂取量は男性が8.0g未満、女性が7.0g未満。70歳以上の高齢者が1日にとるべき食物繊維は、男性が19g以上、女性が17g以上などとされている。厚労省は初めて策定した2005年以降、5年に1度のペースで改訂してきた。見直しは今回で3回目。
 
栄養素の認知症への影響は現行の基準でも触れられている。ただ「関係性に十分な証拠がない」とされ、指標などの設定は見送られてきた。近年は状況が変化。高齢者の体重の減少と認知症がつながる可能性があること、MCI(軽度認知障害)が栄養障害からも生じている可能性があることなど、関係性を示すエビデンスレベルの高い報告が出ている。厚労省はこうした学術論文や資料を検証する考え。その結果を基に検討を深めていくとしている。
 
フレイルについては、「高齢社会の更なる進展に対応するため、予防に向けた目標量の設定を検討してはどうか」と提案。状態像の定義は日本老年医学会の「健常状態と要介護状態の中間的な段階」を用いる方針だ。今後、ワーキンググループなどで議論を重ねて今年度中に報告書をまとめる。来年度に新たな基準を告示し、2020年度から本格的に運用していく予定だ。

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