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Report

《 2018.5.17 》

豊島区の混合介護モデル事業、10事業者が参加 保険外をパッケージで提供


《 豊島区の有識者会議(16日)》

東京都豊島区は16日、いわゆる「混合介護(*)」の展開に向けた協議を進めている有識者会議の会合を開催し、今年度に実施するモデル事業の詳細を公表した。
 
株式会社やNPO法人など10の事業者が参加する。まずは訪問介護が対象。介護保険が適用されないサービスは、在宅生活を送るうえで生じるニーズにトータルで応えるパッケージ型で提供していく。例えば、電球の付け替えやペットの世話、庭の掃除、日用品以外の買い物、各種手続きの代行、話し相手などに柔軟に対応する契約とし、これらの合計時間に応じて料金を設定する(例:2時間までなら○○円)。実際の料金やパッケージに詰め込むメニューの幅をどうするかは、個々の事業者の裁量に委ねていく。
 
散歩の付き添いや趣味・社会参加への同行、送迎といった外出支援のニーズは、居宅内のみを想定したパッケージとは異なる専用のパッケージでカバーする。こうしたスキームは、参加する事業者からの提案を容認する形で決定した。8月にも開始する。
 
混合介護
介護保険が適用されるサービスとされないサービスを組み合わせた形を指す。ルールを明確にして自由度を高めれば、保険外サービスを使う余裕のある高齢者の選択肢が今より広がるとみられる。東京都や豊島区は「選択的介護」と呼ぶ。事業者のビジネスチャンスが大きく拡大したり、ヘルパーの収入源が増えたりするメリットも期待されている。一方で、「利用者が不当に料金を取られてしまう」「自立支援の理念がますます形骸化する」といった懸念の声も根強い。
 
厚生労働省は近く、混合介護のルールを統一して分かりやすく明確にするための通知を発出する予定。先月に示したその概要では、介護保険の訪問介護と保険外サービスを「同時かつ一体的に提供すること」は認めない意向を明らかにしている。豊島区もこれを尊重し、同居する家族の分の食事や洗濯を一緒に済ませるサービス形態などの検証は控える方針。来年度以降により踏み込んだモデル事業を行うかどうかは、厚労省の通知のディテールや国家戦略特区の動向などを睨みつつ判断していく。
 
豊島区は既に、モデル事業の実施にあたって事業者に守ってもらうルールを固めている。利用者を保護するための規定を書面で整備し、その内容の遵守や丁寧な説明を徹底させていく。保険内・外を問わない総合的なケアマネジメントを前提とし、保険外のサービスもケアプランに位置付ける決まりとする。区内のケアマネジャーやサービス提供責任者を対象に、混合介護について理解を深めてもらうための研修会も開いていく。専用の窓口を開設し、本人・家族の相談にタイムリーにのれる体制も整える。今年度のモデル事業では、こうした独自ルールの有効性・妥当性もチェックしていく考えだ。

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